河合拓始のよしなしごと
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明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。 今年第一弾のライブは、ソプラノの太田真紀さんと現代音楽プログラムによるコンサートを行ないます。 私にとっては久しぶりのタイプの演奏会です。よければぜひお立ち会いください。 曲目解説です。 近年再評価の著しいイタリアの作曲家ジャチント・シェルシは、ひたすら音を聴き込む即興演奏を行なって作品を作ることで精神的危機から立ち直り、きわめて非ヨーロッパ的な音楽を作曲しました。1950年代の作品から、ピアノソロで組曲第10番「Ka」、ソプラノソロで組曲「ホー」を演奏します。 偶然性・不確定性の音楽で知られるアメリカの作曲家ジョン・ケージが、そうした音楽を作り始めたのは1951年ごろ。まずそれ以前のキュートなヴォーカル作品から、ジェイムズ・ジョイスの本からことばを取った「18回目の春を迎えた陽気な未亡人」と「花」、この2曲は打楽器としてピアノの胴体を叩く伴奏によります。「彼女は眠っている」はピアノの高音の4つの音の弦にゴム片を挿んで音を変質させてやはり打楽器のように用います。3曲とも素朴なメロディーの歌、伴奏も終始弱音で沈黙をはらんだ美しくもかそけき作品です。ピアノソロの「冬の音楽」は不確定性を用いて空間にくさびが打ち込まれるような緊張感のある作品。ソプラノソロの「アリア」は美しい図形楽譜によるこの時期の代表曲です。 松平頼暁さんは1950年代から日本の前衛音楽を牽引した作曲家のひとり。1972年の「サブスティテューション(置換、代替の意)」では、モーツァルトやベルディ、武満や日本民謡の旋律が、ニュースやコマーシャルや劇画の言葉とミックスされるという、現代美術のポップアートとも一脈通じる作品です。 この日が初演となる委嘱作の松浦伸吾さんの新曲は、芳賀徹さんの新作詩とコラボレートして書かれたもので、1曲は詩→音楽の順で、もう1曲は音楽→詩の順で創作されました。平仮名にこだわり視覚的にも工夫をこらす芳賀さんの詩に対して、松浦さんは即興も取り入れるアイデアと精密な作曲で渡り合っています。 ライブハウスでの至近距離から、現代音楽をお楽しみください。 *************************** <太田真紀×河合拓始> - DUO LIVE - 出演:太田真紀(soprano)、河合拓始(piano) プログラム [※はソプラノソロ、※※はピアノソロ、他はソプラノ+ピアノ] John Cage (1912-1992) :「The Wonderful Widow of Eighteen Springs」(1942) 「She is Asleep」(1943) 「A Flower」(1950) 「Aria」(1958)※「Winter Music」(1957)※※ Giacinto Scelsi (1905-1988) :「Suite No.10 "Ka"」(1953)※※「Ho」(1960)※ 松平頼暁 (1931-):「Substitution」(1972) 松浦伸吾 (1979-) 詩:芳賀徹 (1970-) : 「わ」「ひらみかなる」(委嘱新作2009) 2009年1月18日(日)開場1:30pm 開演2:00pm 会場:渋谷「公園通りクラシックス」 (東京都渋谷区宇田川町19-5 山手教会B1F 03-3464-2701) http://www.radio-zipangu.com/koendori/ 料金:予約2500円/当日2800円(いずれもワンドリンク付き) 御予約は公園通りクラシックス(17:00~22:00 月定休)またはensembleplus@gmail.comまで 太田真紀(おおた・まき) ソプラノ 同志社女子大学卒業後、大阪音楽大学大学院歌曲研究室修了。現在、東京混声合唱団団員。 現代音楽とドイツ歌曲を中心に演奏活動を展開、多くの世界初演、日本初演を行っている。 2004年日本現代音楽協会主催コンクール「競楽VI」第3位。2007年には若手音楽家支援プログラムにお いて選抜され、トーキョーワンダーサイト本郷にて無伴奏ソロリサイタルを開催した。同年、ドイツ・ケルン日 本文化会館に於いての演奏会に出演。演奏会の模様はDRFでドイツ国内にラジオ放送された。2008年は来日 したブソッティの日本初演を明治学院大学ホールにおいて行った。また8月発売のCD鈴木治行『語りもの』に 演奏参加している。これまでに、川下由理、山村弘、Herbert Brauer、平山美智子の各氏に師事。 河合拓始(かわい・たくじ) ピアノ ピアニスト/即興演奏家/作曲家。1963年兵庫県神戸市生まれ。東京在住。四歳からクラシックピアノを学び、 1986年頃始めた即興演奏が自身の音楽表現の端緒となる。京都大学経済学部卒業後、1991年東京芸術大大学院 音楽学専攻修了。在学中よりライブ活動をはじめる。1999年に自作個展コンサート。 ソロを中心に共演者多数、ダンス・朗読など他ジャンルとの共働多数。CDに自作自演集「ジュエリー」(2000 年)、「Trio improvisations at Artland」(2001年、CDジャーナル誌注目盤)、50分連続ソロ即興「ピアノプラトー」(2002年)など。近年の委嘱作曲作品として室内オーケストラ曲(2004年)、パイプオルガン曲(2005年)な ど。現在ソロコンサートシリーズを継続中。2008年秋、ヨーロッパ三都市(アムステルダム、パリ、ベルリン)で演奏旅行を行なった。http://www.sepia.dti.ne.jp/kawai/ PR |
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