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河合拓始のよしなしごと
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チラシ裏面に載せた各曲の簡単な解説と、作曲者の簡単なプロフィールは下記の通り。

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★平石博一「クロノスケイプ」(2006)
「印刷インキの色見本帳の様に音の組み合わせのグラデーションを提示するという方法で、かつて弦楽四重奏曲「プリズマティック・パルセイション」(1975)を書きましたが、その方法を少し自由な形で復活させようとしたのがピアノ曲「A
Vision」(2005)で、「クロノスケイプ」はその2作目です。性格の異なった4つの部分が連続して演奏され、どれもB音を中心に展開します。」
(作曲家プロフィール)
1948年生。独学で作曲を修得。作品を初めて発表した72年から一貫してミニマル・ミュージック的な作風を追及し続けてきた,日本ではほとんど唯一の存在。作品の形態は幅広いが、ある種のテクノ・ミュージック、ハウス・ミュージックとも呼べる作風も多く生み出している。舞踏や映像・美術とのコラボレーションも多く、空間音楽パフォーマンスも継続して展開中。

★松平頼暁「共鳴」(1982)
低音域のドの音を基音として第16倍音までの鍵盤をあらかじめ押鍵し中央ペダルで保持しておく。全曲はそれらの音を中心に進行するが、最後の部分で中央ペダルの保持が解かれ、ファ音上の倍音列に移行する。
(作曲家プロフィール)
1931年生。作曲を独学。常に時代の最先端の作曲様式を持ち、1950年代は総音列技法、60年代は不確定性の音楽や引用による音楽、1970年代は旋法による音楽を作曲、現在は独自のピッチ・インターヴァル技法を考案しさらに進化を続け旺盛な作曲活動を行っている。海外での受賞も多数。

★高橋悠治「ピアノ」(2000)
PIANOというタイトルを持つシリーズは2000年から2006年にかけて4曲が書かれているが、いずれも作曲者が以前に書いた楽曲をバラバラに解体した断片的なモチーフでできており、それをもとに演奏者はその場で即興的に敷衍・逸脱・応答することが求められる。
(作曲家プロフィール)
1938年生。作曲家、ピアニスト。1960年代は欧米で現代音楽のピアニストとして活動し、帰国後の1970年代は前衛音楽誌「トランソニック」の編集、バッハやサティの録音、1980年代は抵抗歌を演奏する「水牛楽団」ミニコミ紙「水牛通信」、1990年以降は伝統楽器や声のための作曲など活動は多岐に渡り、影響力を持つ。作品、CD、著作多数。

★木村裕「アイオーン」(2005)
アイオーンは古代ギリシャ語で、始源、日常を越えた大きな時、といった意味を持つ。宇宙的・根源的な時間を絵でも音でも探求した2005年の個展「Composition
-記述-」で自作自演の録音物として発表。今回は生ピアノによるステージ初演。半独立した6頁からなる一曲。
(作曲家プロフィール)
1957年生。柴田南雄に作曲を学んだ。1990年代から現代美術家として活動を開始、国内外で作品を発表している。近年は美術とテキストと自作音楽を組み合わせた展示を行っている。主なピアノ作品として曲集「モンポウに寄せて」(2000)「兆」「階」などがある。

★しばてつ「棚」(2010)
「棚は、垂直方向の柱と水平方向の棚板からできているけど、柱には等間隔の穴が開いている。適当な間隔に金具を挿し棚板を設置すると棚が出来上がる。この曲は、等間隔の88鍵盤に広めにいくつか棚板を設定し、棚板間を即興的に飛び跳ねる曲です。」
(作曲家プロフィール)
1959年東京都生。鍵盤ハーモニカ、ピアノ奏者、作曲家。自らは兼業音楽家と称する。鍵盤ハーモニカによる演奏活動を1987年頃から継続。ジャズや現代音楽に刺激を受けた独自のアイデアにより、即興的な作品・確定的な譜面作品を、ソロや合奏のために作曲している。

★アレッシオ・シルヴェストリン「Ritrovare tricordale」(2002)
師のFrancesco Valdambrini(1933-2007)の作曲技法"Musica
tricordale"を援用して作曲されている。全音ー全音の間隔を持つトリコルド2つが半音を隔てて接続されたディアトニックなヘクサコルド(六音音階)(例えばE-D-C-H-A-G)が、共通するトリコルドを介して別のヘクサコルドに次々に遷移していく。2声曲。
(作曲家プロフィール)
1973年ヴィチェンツァ(イタリア)生。ダンサー/振付家/作曲家。舞踊と並行して音楽の専門教育を受ける。フォーサイス率いるフランクフルト・バレエ団で活躍後、2003年より日本を拠点にしつつ世界各国で振付や公演を行う。自身の舞台作品の音楽の多くを自ら作曲しており、楽譜はedizioni
ARCA MUSICAから出版されている。

★鈴木治行「句読点 VIII」(2011 委嘱新作・初演)
「句読点」は、作曲者が1992年から書き始めたソロ楽器のための作品シリーズで、1~7番はそれぞれチェロ、オーボエ、ソプラノ・サックス、ヴィオラ、トランペット、チェンバロ、二十絃箏のために書かれた。持続的なパターンに唐突に異物を差し挟むことで、意識的に聴取体験を脱臼させることが主眼に置かれている。今回の第8番は、このシリーズの8年ぶりの新作。
(作曲家プロフィール)
1962年東京都生。ほぼ独学で作曲を学ぶ。「二重の鍵」(1995)で第16回入野賞受賞。映画『M/OTHER』(諏訪敦彦監督)の音楽で毎日映画コンクール音楽賞(2000)。無声映画にライブで電子音響をつけるパフォーマンスや、芸術全般についての批評活動も行い、作品は国内外で演奏、放送されている。

★木下正道「クリプト I & II 」(2011 委嘱新作・初演)
Crypteはソロ楽器のための作品名で、現在までに笙、マリンバ、ヴァイオリン、ヴィオラ等のために第7番までが作られているが、これは作曲者初のピアノソロ曲で、欠番としていた
I、II が満を持して充てられた。「Crypteは地下納骨堂を意味し、また"隠されたもの"の暗喩でもある。ピアノの響きの様々な事象を、タッチとペダルの様々な関係性の網目のうちに単純なモチーフから透かし見る(聴く)ような、ピアノ作品2種を用意する」。
(作曲家プロフィール)
1969年福井県大野市生。ハードロックバンド,ブラスバンドなどの体験の後,東京学芸大学で音楽を学ぶ。武満徹作曲賞などに入選。作曲と演奏会企画と電気機器による即興を3つの柱として活動を展開する。
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